今日ご紹介するのは「ふたば君チェンジ」という漫画に登場する、「酒仙洞音霧」(しゅせんどう ねぎり)です。
ふたば君チェンジというのは、月刊ジャンプで1990年から連載されていたラブコメ漫画。
らんま1/2のように、男の子が女の子が性転換するといった特徴を持つ締留ふたば君が主人公。
いまでこそTSものはメジャーになりつつあるので、今から読んでも楽しめる人は多い…はず。
らんま1/2と違い、主人公は自身の性別が変更されてしまうというのをヒロインである「島 美咲姫」に隠し通しつつ生活していく。
一般的なラブコメとは違い、主人公は女性になった締留ふたばは美咲姫と友人になっているので、実はこの2人が両想いである事を主人公は知っている。
そしてそれが解ったのは物語のだいぶん序盤である。
しかし、それが分かった所で「興奮すると性転換してしまう体質」のせいでなかなか結ばれない…
しかも興奮すると性転換するという事は、元々の男性・締留ふたばと女性である島 美咲姫とでは、結ばれる事は出来ない…というジレンマが存在するのがアクセントとなっている。
「なかなか主人公とヒロインが結ばれない」という所にちゃんとした理由が存在するから海外でもそれなりに人気のあるラブコメらしい。
事実、上記の性別変化のジレンマもあり、作品の途中で主人公とヒロインは恋人同士になる。それでも物語は進んで行くのが画期的。
こんなストーリーではあるのだが、今回紹介する酒仙洞 音霧はヒロインでは無い。
彼女は、その名の通り漫画でよくある「お金が好きなキャラクター」である。
「守銭奴」「値切り」=「酒仙洞 音霧」(しゅせんどう ねぎり)という訳だ。
ただ彼女がトラブルメーカーとかいう訳ではなく、ヒロインの親友で主人公がアイドルになるきっかけにつながったり、主人公とヒロインの仲直りを手助けしたりなど、ちょっとした狂言回しのようなキャラクターである。
この手のキャラクターで、トラブルメーカーではなく主人公達に利のある行動をしているのは珍しく、ちょっと好感触。
というか、変人ばかり登場するこの作品においては「守銭奴」程度じゃ変人でもなんでもなく、かなりまともなキャラクターである。
私が気に入ってるのは、彼女の容姿とか性格というよりも信条のようなもの。
彼女は一見やぼったい容姿をしているが、メイクの腕がかなり高く本気を出せば学園でも1,2位を争う美少女に変貌する事ができる。
が、これを安売りする事はあまりせず、本当に好きになった人が出た時に取っておくという考えをしている。
もちろん、守銭奴な彼女なので理想の男性像はお金を稼げる人なのである。
眼鏡っ子が眼鏡を外すと綺麗になる…というのは、眼鏡っ子好きからすれば忌諱される内容ではあるのだが
勘違いして欲しく無いのは、彼女は
「眼鏡を外しただけで綺麗になる」のではなく
「眼鏡を外して、メイクをする事で綺麗になる」のである。
勿論彼女の性格からして射止める相手が、眼鏡っ子好きならば眼鏡をつけたままメイクをするであろう。
そんな彼女も最後には好きな人と結ばれるのだが…
結局その人は特にお金持ちではない身近な人だったりする。
そういう所がとても良い。
この会長とは1話目では対立していたのに、最終話ではくっついているという
ある意味一番ラブコメらしいムーブをしている。
お金にがめついキャラクターではあるものの、結局彼女は自分の手で幸せをつかみ、稼いでいる。
そして、強引な人物ではあるものの人に迷惑をかけるようなタイプではない。
こういう所が、とても魅力的なキャラクターだと思います。
そんな訳で私は全漫画の中でもかなりの酒仙洞 音霧推しです。
しかしマイナーな作品な為、わかる人が居ない。
この漫画は設定がよく凝ってたり、魅力的なキャラクターが非常に多い。
性転換に関しても、主人公が下着選びに悩んだり、生理や妊娠した場合はどうなるのか?といったやけにリアリティな問題が描写されている。
何故マイナーな漫画で収まっているのかわからないくらい面白い漫画なので
是非読んでいただきたい漫画だ
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